竹林の温泉宿

竹林の温泉宿

竹林に囲まれた、一棟貸しの温泉宿。

庭づくりを担当された庭師のご紹介をきっかけに、ライトアップの設計・施工をご依頼いただき、建築計画の初期段階よりお庭の照明計画に携わらせていただきました。

建物や庭園が形づくられていく段階から関わることで、植栽や石組み、動線との調和を見据えながら、夜の景色を丁寧に計画しています。

目指したのは、庭を明るく照らすことではなく、庭が持つ美しさを夜の暗さの中に浮かび上がらせること。

苔や石組み、灯籠といった庭の造景には暖色のあかりを添え、長い年月を重ねた素材の質感が静かに浮かび上がるよう計画し、竹林には白色のLEDを用い、風に揺れる葉や竹肌のみずみずしい表情を映し出しています。

露天風呂から眺める庭は苔と笹垣をほんのり照らし、建造物と自然の境界を曖昧にするような幻想的な灯りを演出しました。

数寄屋門をくぐり、宿までの小路には足元に配慮した明るさの行燈を配置し、庭全体は薄墨を重ねるような淡いあかりで包んでいます。また、タイマーによる自動点灯に加え、スイッチでの切り替えができるほか、一部には調光スイッチを設け、宿泊される方が過ごし方に合わせて庭の表情を選べるよう計画しました。

夜の竹林と庭園を眺めながら湯に浸かる時間が、この宿ならではのひとときとなるようAtelier Key-menの照明にて空気に色を着けさせていただきました。