少し早めの冬季休業に入り、1人で薪ストーブの前で今年の仕事を振り返る。
コロナが5類に移行されて1年半が経った。世間では、じわじわとパンデミックの余波が感じられ、経済が大きく動いている。波を読んで上手く乗っている人もいれば、変化を恐れて躊躇している人もよく見かける。
Atelier Key-menは、パンデミックの始まりに舵を切ったことが良かった。結果、現在も想像通りの形になりつつある。様相デザインと位置付けた照明+建物+造形からなるデザインの仕事の確立や、そのために作ってきたこの薪ストーブのある場所、スタジオ事務所の創設。そして、日本文化に寄り添う照明器具デザインへの注力などがそれである。
特に今年は、ある程度思う様に仕事が出来た上に、スタッフ達の力量の強さに感心した年であった。コロナのパンデミックを挟み、前後では大きく違うことがある。以前は、私のしたい事を手伝ってくれる方々の集まりの様な認識で仕事をしていたが、この1年半は、膨れた袋の封を切った様に各々が仕事をしてくれていた。
要は、全員でベクトルの向きをしっかり揃えて、あとは、各々の得意なやり方で仕事をこなしてくれていたって事。Atelier Key-menは、会議らしい会議もなく仕事終わりの会食なども無いのだが、それこそがベクトルの向きを揃えるのに重要な事だと考えています。会議では、身構えた意見交換で強制的に方向性の固定になるが、仕事の合間に時間を見つけては、私を中心に一人一人と何度も世間話しをしながら意見と気持ちを聞く。車移動中とかね。
その其々の話と私の思いをミックス&整理して、また、其々の気持ちに合わせて個々に発表していく。その後は、スタッフ同士が内容を鑑みして適当に折り合いをつけながら実行してくれている。
こんなやり方、大企業では無理かどうか測りかねるが、ウチには丁度良い。
言い方変えると、少しズルいやり方かもしれないが、人の気持ちを先に聞き、私の計画説明を柔軟に変化させ、周りの意見や希望に沿わせて説明して同調をお願いする。と言ったところか。
要するに、みんなの能力が上手く機能してるってこと。
さて、
薪ストーブの火を眺めながら、書類片手に今年の仕事を見返すとします。
昨日までにスタッフ達には、ざっくり先の5年計画を話したが、今日からじっくり吟味します。
ワクワクしております。
村井賢治