今回の展覧会のためにつくって来た便箋セットの封筒は、半透明の封筒です。
封筒には、書かれた場所の空気や匂いが同封されております。
嵯峨嵐山で書かれた手紙がこの土地の匂いと一緒に届けばと考えました。
手紙に入った嵯峨野の笹の葉がうっすら透ける青い手紙。
手紙を投函されるか、手渡しなのか、それも個人の自由です。
書く人がいて読む人がいる・・・天国におられる方宛でも同じでしょう。
ただ、私が手紙を書きたかっただけ・・・
始めたきっかけは、筆不精の私自身が手紙を書くためでした。
その為だけにつくった電気スタンドを抱え、自分の好きな本や文具をいっぱい持って。
しかし、今ではもう1000通を越す手紙が「手紙を書くための電気スタンド」の下で綴られました。
私が考えていた以上に、この展覧会で多くの人の人生に何らかの影響が出ているかも知れません。
そう思うと、この展覧会をもう少し続けて行かなければいけないような気がして来ました。
今では、遠まわしでもいいから少しでも世の中のためになれば。
なんて柄にもなく、そんな事を考えている自分がここにおります。
私の書く手紙には、コンパスの模様の封蝋がついております。
どこにいても北を指すコンパス。
どこにいても相手のいる方向がわかります。
だから、いろんな所に手紙を書きに行きたいです。
小さな星を吊下げて。
ポストが近くにある場所なら何処にでも。
私と一緒に手紙を書く場所を作りませんか?
いい所がありましたら、教えて下さい。
「手紙を書くため」嵐山 おわり
嵐山での手紙を書く旅を終えて。
2009.09.12