お気に入りの茶器を眺めながら、ふとひっくり返してみる。
蚤の市で見つけた茶碗。逆さに向けるとカタチがなんとも渋いというか乙であることに気付く。
このまま照明の笠(セード)にしてみようと思い立ち、CADで作図し模型を作ることに。

茶器らしさを感じる部分は残しつつ、実質的に照明器具としての機能を考慮したカタチに整えた。
日々目に映る様々なものにインスピレーションを感じて照明のデザインに落とし込み、具現化する。植物や古道具、海外文化や建築などジャンルは問わず照明デザインの元となっているのだ。
特にここ数年では、日本の古民具を蚤の市で見つけては連れて帰り、大切に並べる。。を繰り返している。他の人から見ればガラクタとも言うのだろうが、ここでは照明のモチーフとなる大切な仕事道具。この使い込まれた古民具達の機能を優先した故のバランスや曲線からは無作為の美を感じざるをえない。私もこの様な面白みのある照明を作りたいと日々憧れの眼差しで大切なガラクタを眺めている。
今回の新作となる茶碗の様な照明は、すっぽりと手に納まるサイズ感のセードにシンプルな構造のアームとベースを組み合わせた。

深めのセードは、漆黒の楽茶碗から。

浅めのセードは、萩焼の井戸茶碗から。
高価な茶碗ではないものの、それぞれ愛おしい道具達から生まれたデザイン。
どの様なシーンに組み合わせるか研究所で色々試すとしよう。
この照明の受注はもう少し先となりますが、直接お問合せ頂ければご対応可能です。